陳情に対する見解

会派のホームページにも掲載しましたが、6月定例会に提出された陳情について、そのタイトルだけを見ると、本意と異なるものが市民の皆様に伝わる可能性があるため、以下に転載します。

 

平成23年6月定例会において提出された陳情のうち、第14号「原子力発電の推進をやめ、エネルギー政策の転換を求める意見書の提出を求める陳情書」に関して、市議会の採択と当会派の見解が分かれましたので、その理由を説明します。
本陳情は先の東日本大震災を受けて自治体キャラバン実行委員会から提出されたもので、震災の被害を大きくしてしまった原発に関してその見直しを迫るものです。先の震災での被害について、その深刻さは当会派でも十分に理解をするところですし、1日も早い復旧、復興を願うものです。また、中長期的にエネルギー政策を自然エネルギーにシフトしていくための研究は避けられないものと考えます。しかし不幸にも未曾有の災害で想定外の被害を受けたものの、現時点で30%を超える電力の安定供給を行なってきた原発を「完全悪」とみなすことにはまだ時期尚早と考えます。そもそも本陳情者は我が国が原発を軸にしたエネルギー政策を展開している最中から、原発反対を訴えてきた団体であり、今回の事故によりますます気勢を高めているものだと思われますが、当時は経済発展や地域振興において原発は必要な施策でした。もちろん安全が担保されているという前提の下での合意ですが、原発によって地域に巨額の交付金が支給され、地域振興が図られてきたことも事実です。それをいきなりすべてご和算にしては、立ち行かなくなる自治体も出てきます。前出の通り中長期的には今回の反省を鑑みて、新しい政策も必要かと思われますが、いきなり原子炉を停止し将来の見通しが立たずに不安を抱えている御前崎市のような自治体が一気に増えればますます混乱をきたすことは必死です。電力というインフラには住民の安心安全はもとより、地域経済の問題、消費する産業や都市部の状況など総合的に考えて、よりベターな代替案が同時に無ければいけません。加えて言えば、陳情者の文言は理想論としては理解できる部分もありますが、当市においては電力の生産に関わる立場ではなく、消費するだけの立場で、生産地域の事情を十分に考慮することなく「安全の担保」のみを訴える意見書の提出には同意できかねるものでした。
したがって今議会における陳情第14号に当会派は反対の立場を取りました。しかし結果は賛成多数となり、知立市議会として意見書を提出することになりました。

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コメント: 1
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    長谷川1号 (火曜日, 10 7月 2012 07:49)

    拝見しました。
    もう少し掘り下げてみたいと思います。